2010年代のおわりと2020年代のはじまりへ向けて
3冊の本
2019年もあとわずか。
2010年代も終わり、2020年代が始まろうとしています。
この10年、さまざまな出来事が起こりましたが、
温暖化にともなう異常気象、自然災害の大型化など、
地球環境の問題が深刻さを増しています。
2020年代は、わたしたちをとりまく地球環境問題に、
もっと広く、深く、関心を寄せていかなければ、
と思います。
その橋渡しとして、3冊の本をご案内いたします。
『森の生活(ウォールデン)上・下』
H.D.ソロー 著/飯田実 訳
岩波文庫
1845年、米国マサチューセッツ州コンコード、
ウォールデン湖畔の森に小屋を建てたソローは、
2年2ヶ月2日間に渡る独居生活を始めます。
その暮らしと思索をまとめた、
「死と再生の神話」とも呼ばれる一冊。
https://www.iwanami.co.jp/book/b247494.html
『オーバーストーリー』
リチャード・パワーズ 著/木原善彦 訳
新潮社
米国現代文学を代表する作家の一人、
リチャード・パワーズによる
ピュリッツァー賞を受賞した2018年の小説。
南北戦争前から20世紀後半に至る米国を舞台にした、
多数の登場人物たちと樹木との運命的な関わりの物語。
オーバーストーリー/overstory(林冠層、樹冠)とは、
森のいちばん高い層をつくる木々のことです。
https://www.shinchosha.co.jp/book/505876/#&gid=null&pid=2
『樹木たちの知られざる生活
森林管理官が聴いた森の声』
ペーター・ ヴォールレーベン 著/長谷川圭 訳
ハヤカワ文庫NF
木は子どもを教育し、コミュニケーションをとり、
お互いに助け合う・・・
ドイツの森林管理官が
長年の経験と科学的知見をもとに、
新しい森の姿を記したネイチャー・ノンフィクション。
ちなみに、作者のペーターさんは
上記『オーバーストーリー』の登場人物の
モデルにもなっているようです。
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014064/
森を読む。木と話す。
そんな読書を通じて、2020年代、
地球環境の問題に思いを巡らせていただければ、
と思います。